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          【SS】それぞれの季節(6/6)
             〜〜〜そして春〜〜〜
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 三人は高校生になった。

 そして、ある春の日の登校風景である。
一時のぎくしゃくした感じは無くなり、いつもの三人のように見えた。
ただ、違っているのはアスカがシンジと腕を組んでいる。
そして、レイも始めのころより表情が豊かになっていた。

 雑談をしながら歩いている三人にヒカリ、トウジ、ケンスケが寄ってきた。

「アスカー、綾波さーん、おはよー」
「おはようヒカリ」
「おはよう、洞木さん」
「センセッおはよっ」
「よっ、碇」
「トウジ、ケンスケ、おはよう」
「おまえら朝っぱらから見せつけてくれるのぉ」
「ほんと、いや〜んな感じ」
「なに言ってんのよ鈴原!あんた達だって同じようなもんじゃない」
「あ、アスカ!」
「あ!ご、ごめんヒカリ」
「どうせ僕なんか・・・僕なんかー(T-T)」
「どないしたんやケンスケ」
「さあ?」

 そんなやり取りを見ながらレイは微笑んでいた。

 実ににぎやかな登校風景である。まぁ、高校生らしいといえば高校生らしいのだ
ろうが・・・

 冬の頃のぎくしゃくした感じが嘘のようである。

   ・
   ・
   ・

 それは冬のある日、シンジは自分の気持ちを語った。

「だから言うよ、彼女になってほしいと思ったのは・・・・・・
 アスカ、君なんだ・・・」
「あ・・・あたしで・・・本当にいいの?・・・」
「一人暮らしするようになって思ったんだ・・・。確かにご飯とか一緒に食べたり
 夜、寝る時間まで三人ですごしたりしたこともあったけど、でも、一人でいると
 きついアスカの名前を呼んだりするんだ・・・。そして思ったんだ。アスカとは
 たしかに口喧嘩したりもしたけど、僕の今までの時間の中で一番長く一緒にいた
 んじゃないのかって。そしてこれからも一緒にいたい、離したくない、離れたく
 ない!」
「シンジ・・・」
「碇君・・・」
「ごめん・・・。綾波・・・。決して嫌いだというわけじゃないんだ。
 綾波のことも好きかもしれない。ただ・・・なんて言うのかうまくいえないけど、
 たしかに綾波とも一緒に居たいと思う。でも、何かが違うんだ。ただ、アスカは
 もう僕にとっては欠かせないんだ。ごめん、綾波」
「いいの、碇君・・・。わかっていた。碇君、アスカさんと居るときが一番輝いて
 いた。アスカさんと居るときが本当の碇君だった」

 二人はシンジのもとによりシンジに抱きついて泣いた。一人は喜びの、一人は悲
しみの涙を・・・

「シンジ・・・シンジ・・・ありがとう・・・レイ、ごめんね・・・」
「碇君・・・アスカさん・・・」
「アスカ・・・ありがとう・・・綾波・・・ごめん・・・」

 シンジも泣いていた・・・


 その後、しばらくレイは落ち込んでいた。シンジとアスカはレイに遠慮してあま
りそばに居ることをためらっていた。しかし、そんな二人にレイは声をかけてきた。

「碇君、アスカさん、あまり私に遠慮しないで・・・」
「でも・・・」
「私なら大丈夫。碇君がアスカさんを好きでも、アスカさんが碇君が好きでも、私
 が碇君を好きだということは変わらないから」
「レイ・・・?」
「綾波・・・?」
「それに碇君は『嫌い』とは言っていないもの。
 私たちは三人いつも一緒にいた。これからもそうでしょ。だから大丈夫」
「ありがとう、レイ」
「綾波・・・」

 そして春
 三人の季節はこれからも続く・・・


後書きと称したたわごと

 これを書くのには大変苦労しました。
最初、豊泰へアップしたときは1〜3と4〜6と2回に分けたのですが、前半部分をアップしたときの反響がすごくて嬉しい反面物凄くプレッシャーがかかってしまった(笑)
おかげで私の中では納得のいくものが出来たと思っています。

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