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              【SS】こくはく
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 ある日、シンジは悩んでいた。

(僕は、アスカが好きだ。
 初めてアスカと会ったとき、生意気で苦手だと思っていた。
 アスカと一緒に暮らすうちに好きになっていった。
 この想い、アスカに伝えたい。
 でも、想いを伝えたとたん、今の関係が壊れるのが怖い。
 今の関係が壊れたらどうやってアスカと顔を会わせればいいのだろう。
 今のままでも十分楽しい。
 でも、どうしよう・・・
 アスカは僕のこと・・・そんなことないよな・・・)


 そしてアスカも悩んでいた。

(あたしはシンジのこと好き。
 初めて会ったときはさえない男の子だと思った。
 この家に来てシンジと暮らしていくうちにだんだん好きになった。
 一緒にいるととても楽しい。
 この想い、シンジに伝えたい。
 でも、想いを伝えたとたん、今の関係が壊れたらどうしよう。
 今の関係が壊れたらこの家にいるのがつらくなる。
 今のままでも十分楽しい。
 でも、物足りない。
 シンジ、鈍いからあたしの想い気付かないだろうな・・・)

 二人は同じように悩んでいた。
ほとんど同じ内容であるが、なまじ同じ家に住んでいる分気持ちを伝えて今の関係
が壊れることに憶病になっていた。また、シンジの鈍さとアスカの意地っ張りな性
格がお互いの気持ちに気づかせないでいた。

 そんなある日、学校で二人はいつものように夫婦などとからかわれていた。
二人は口では否定するものの、どこか楽しんでいるようであり満更悪い気もしな
かった。そしてトウジとケンスケはさらにシンジにからんでいった。

「なあシンジ」
「なに?」
「惣流のことどう思ってんだ」
「なっ、なんだよ突然」
「お前らほんま仲いいもんな」
「そんなんじゃないって」
「それとも何や、すでに愛の告白は済んどるんかいな」
「だから何でそうなるんだよ!」
「何だまだなのか」
「気持ちははっきり伝えなあかんで」
「だからぁ、違うんだってば(そんなことわかってるよ・・・)」

 三バカトリオを眺めていたアスカとヒカリは、

「何勝手なこと言ってんのかしらね」
「で、実際のところどう思ってんのアスカは」
「な、なによヒカリまで」
「うん、うらやましいなぁと思って」
「そんなんじゃ無いわよ」
「また無理しちゃって」
「む、無理なんかしてないわよ」
「アスカも碇君に気持ち伝えたら?」
「だったらヒカリも鈴原に気持ち伝えなきゃね」
「なっ、あ、アスカったら・・・」

 アスカはささやかな逆襲を行った。

 それはともかくさんざんからかわれた二人であるがいつも以上に執拗なからかわ
れかたであったためお互い意識しまくっていた。

 そして放課後。

「ねぇ、シンジ」
「どうしたのアスカ」
「一緒に帰ろうかなと思って」
「うん」

 二人は微妙な距離を保ちながら歩いていった。そして公園の近くを通りがかった。

「アスカ、公園よっていかない?」
「うん」

 公園に入った二人はベンチに腰けけることにした。

「・・・・・・」
「・・・」
「「あっ、あの」」
「「!」」
「・・・」
「・・・」
「アスカ、先に言っていいよ」
「ううん、シンジが先でいい」
「・・・」
「・・・」
「(逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ)
 僕、アスカに伝えたいことがあるんだ・・・」
「うん」
「僕・・・アスカのこと・・・」
(え、え、これってもしかして・・・)
「アスカのこと・・・その・・・」
(でも・・・ホントに・・・)
「好きなんだ!」
「・・・!」
「どうしても伝えたかったんだ、迷惑かもしれないけど・・・」
「ううん、迷惑じゃない。嬉しい!」
「えっ」
「あたしもシンジのこと好きだから・・・」
「ホント?」
「うん、でも怖かったの。もし振られたらって思ったら・・・」
「僕も怖かった・・・。でも、この思い伝えなきゃ始まらないと思ったから・・・」
「シンジ・・・」
「アスカ・・・」

 二人がいい雰囲気になったころ、二人の背後で何か物音がしていた。

 ガサガサ・・・
「ちょっと押さないでよ」
「そないなこと言うても・・・」
「や、やばい!」

 がさがさ・・・ズテン!
「「!!」」
「「「!!」」」
「な、なんで」
「ここに」
「「いるの(よ)!」」
「やばい、見つかってもうた」
「あ、アスカ、これはね・・・」
「まさか今までずっと見ていたんじゃ・・・」
「ああ、ビデオにもちゃんと押さえてあるよ」
「「ええっっ!!」」
「センセもなかなかやりますな」
「ねぇねぇアスカ、今どんな気持ち?」
「全くイヤ〜ンな感じ」

 まわりは言いたい放題言っているが二人には聞こえていない。
しかしだんだん恥ずかしくなり早くこの場から離れたかった。

「シンジっ!逃げるわよ!」
「えっ!」
「いいから早く!」

 アスカはシンジの手を握り一目散にその場からはなれた。
そしてみんなが見えなくなるところまできたがその手は離されなかった・・・


後書きと称したたわごと

 豊泰でしばらくROM化してたのでROM化脱却のために書いた作品。
告白したくても告白出来ないでいる二人と、告白するようにあおっていく友人というものを書きたくなった。
だって、シンジとアスカってまわりから見たらばればれだもんね(笑)

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